Fender Hot Rod Deville修理と小改造

さて、本業に余裕ができてきたので、ガンガン作業を進めます。
以前デラリバの修理のご依頼を頂いたK野さまから、今度はHot Rod Devilleのご依頼です。

症状としてはリバーブのノブをちょっとでも回すとリバーブが全開になることと、音色がいまひとつ気に入らないので、なんとかできないかというものです。

まずはリバーブ。こちらはポットの死亡でしたので、部品交換でOKです。Fenderの純正部品は代理店さんにオーダーすれば簡単に手に入るので、ありがたい限り。


アクロバチックな分解ですが、この状態のほうが作業が早かったりして、、、。

そして、治ったには治ったのですが、K野さまもご指摘のリバーブが冷たい感じがします。たしかに、IC(TL072)でリバーブパンを駆動するので真空管のリバーブに比べるとイマイチ感はありますが、それでもMusic manとかICなのにそんなに悪くないので、トーンの設定でしょう。
回路図を見るとリバーブのポットにハイパスフィルタが入っています。

海外のサイトでもこのハイパスを殺すと良いとあるので、手前の抵抗を取ることに。
確かに悪くないかも。

そして、今度はトーンにメスを入れます。トーン回路のコンデンサをちょっといいものに替えて、あとはトーン回路の見直し。

これがDevilleのトーン回路。

典型的なFenderアンプってことで'65 Twin Reverbのトーン回路

微妙に値が異なります。特にミドルの特性を決める抵抗(DevileのR12の部分)がやや大きめだったり、ミドルのポットに繋がるコンデンサの値が小さかったり(DevileのC6の部分)。なによりもR105の存在。
これがあることで、トーンによるゲイン落ちが少ないようですが、トーンの効きがいまひとつすっきりしない気もします。

なので、こんな感じに変更。

C6の値は変更無しですし、ミドルのポットの値が異なりますがTwin Reverbに近づけました。普段がデラリバの方ですからこの方がお好みに近いかも知れません。

ダンカン(PU会社とは別人)のTonestack Calculatorで特性をシミュレートしてみました。
Twin Reverbの場合

Devilleの場合

C2の値で、ローの出方が変りますがこれは後日ご本人に聴いていただき決めたいと思います。

ちょっとゲインが下がりましたが、そんなにハイゲインは求めていませんし、ミドルの出方がすっきりしてFender的。後日ご本人に試奏していただき、色々と詰めたいと思います。(続く)