LANEY VC-30 112修理


おっと、9月はなにも書かずに過ぎちゃいましたね。

すごく忙しい状況もだいぶ落ち着いてきました。
着々と7月にお預かりしたアンプやらエフェクターを修理しておりました。

まずは、本blogを見た方からの修理依頼でLAENYのVC-30 112をお預かりしました。
以前にVC-15のリペアをしており、その記事を見てのご依頼です。ありがとうございます。

ご依頼主の方、精力的に活動するヴィジュアル系バンド「花少年バディーズ」のキーボード/ギターのミネムラさん。お預かりする際、都内から相模原の辺境の地までメンバーの皆さんと機材車でわざわざお越しいただきました。感謝。

VC-15はEL84が2本のプッシュプルで固定バイアスなのですが、VC-30はVOXのAC-30近いキャラクターを狙ったのかEL84のパラレルプッシュプルでカソードバイアス。発熱も多く、電源やらパワー管の消耗も早いような気がします。
故障としてはある日突然ヒューズが切れたとのこと。

原因はパワー管のEL84の寿命と、それに伴い電源周りがダメージを受けていた模様です。
この機会にプリアンプ、フェイズインバーターのECC83(12AX7)も交換して電源の平滑コンデンサも全部交換しました。

一見整備性が悪そうですが、シャシーとコントロールパネルを止めるボルトを外すと意外と簡単に基板の裏にアクセスできます。



この平滑コンデンサですが、劣化してくると電源電圧が少々高めにかつ不安定になります。交換前後では十数ボルト値が異なりました。

さて、交換後は無事力強いサウンドを取り戻し、ノイズも少なくなりました。

VC-30はAC-30を意識し、ダイオード整流にしたり各所にコストダウンされた部分はあるものの、扱いやすさと音色のよさもあり中々いいアンプですね。

マニアックな話ですが、このトランス。トランジスタアンプやベースアンプではよく見かけるトロイダルトランスです。これのお陰か割と軽量級です。

依頼主のミネムラ様はライブにレコーディングに精力的に活動されている方なので、今後リリースされるCDやライブ等で当方がメンテしたアンプが活躍しバンド活動をアシストしてくれることを祈ります。

CDまで頂いてしまったので宣伝っす。花少年バディーズ Bicycle 発売中!