MESA/Boogie SUBWAY BLUESマスターボリュームの怪 #18 Matchlessにヒントをもらう。 

今更、名器Matchlessの回路図を拾いまして、よく見たらマスターボリュームの挿入位置が大変ユニークなのです。フェイズインバーター後で音量調整できる仕組みですが、位相の違う信号を干渉させて音量をコントロールする仕組みです。これをトーンにも応用されています。(この仕組みのトーンはOrangeのTinyTerrorにも採用されています。)

思い立ったら吉日とばかりにマスターボリュームの位置を変更しました。

ここがフェイズインバーターの出口、パワー管のEL84に向かう直前の信号を拾い上げます。

最終的な回路図はコレ

赤枠部分がオリジナルからの変更点です。
左側のスイッチ切替はプレゼンスコントロール。スイッチONで抵抗値が20KΩ増えて、ハイのギラつきが増します。他にはバイアスの電圧を操作するため抵抗値を4箇所変更してます。
マスターボリュームは中央部分。フェイズインバーター後のボリュームとしては実に簡単で部品構成もシンプルに済みそうです。
今後、Matchlessに倣ってマスターボリュームキャンセルのスイッチを組み込もうかなとは思います。

以前のフェイズインバーター前のマスターボリュームと比較すると

メリット
・フェイズインバーターの歪みが小さい音から出せる。
・これにより大音量時と歪みの質とトーンに差がない。
・小音量時音がこもりにくい

デメリット
・自宅で夜間のときの音量はフェイズインバーター前のマスターの方が微調整しやすい。
・小さい音で弾いていて楽しいのは今までのプリ・フェイズインバーター式の方だった。

一長一短ではあるので、壮大なプランとしては2つの方式のマスターボリュームをスイッチで「プリ←キャンセル→ポスト」のように切り替えられると楽しいかもしれません。(やりすぎ?)