MESA/Boogie SUBWAY BLUESマスターボリュームの怪 #19 フェイズインバーターでBIAS調整

いまだに仕組みがイマイチ理解できていないSUBWAY BLUESのDYNA-WATTですが、フェイズインバーターのカソードにBIASの電流を送っている関係上、フェイズインバーター真空管を変えると、BIASが変化することが判明しました。球の内部抵抗などの影響でしょうか?

いちいち測定器具を使うのでは面倒なので、測定用のプローブをつけてみました。

中から見るとこんな感じ。

12AT7と5751はイレギュラーですが、測定しながら弾いてみて感触をチェックしました。数値は2本の合計値。B+は395Vなので、いずれにせよBIASは結構浅めです。

EH 12AT7 68.7mA 歪み少なし ※
GE 5751(1) 60mA
GE 5751(2) 58.2mA クリア ※
GT 5751 58mA 元気ない
mesa 7025 51.7mA
mesa 7025 52.2mA
mesa 7025 50.2mA
無印 12AX7 50.6mA バランス良い ※
GT 12AX7R 50.8mA ジャリジャリと歪み強し

※印が弾いてて感触の良かったもの。機会を見て大音量で比較してみたいと思います。

マスターボリュームをフェイズインバータの後にしてから、音質の変化をダイレクトに感じるようになりました。パワー管の歪みとはよく言いますが、じつは結構フェイズインバーターで歪んでいるのねというのも良くわかります。

この回路ですと比較的特性が近い12AX7/7025/5751はこのままで良いのでしょうけど、12AT7を使う場合は抜本的にプレートの抵抗だったりBIASの抵抗だったりをいじって適正にしなくてはなりませんね。プレート抵抗が120KΩとかでは電流が足らないように思います。

ちなみに、DYNA-WATT採用を謳ったアンプ以外では、古くはSTUDIO22やSTUDIO CALBERなどのMESA/Boogieのアンプもフェイズインバーターの仕組みは同じなので、フェイズインバーター真空管をとっかえひっかえして、BIASを合わせる手もアリかもしれません。