GUYATONE FLIP GA-50Fプチリペア その1

GUYATONE FLIP GA50F修理

気付いたら更新を1ヶ月も怠っておりました。
久々のネタはkomutann氏より預かったGA-50Fのちょいリペアのお話です。
パープルエキスプレス世代には懐かしい(年代的には世代ですがラジオは聴いてませんでした。)故 成毛滋氏監修のプリ真空管、パワーICのハイブリッドアンプです。
ざっくりと回路を見る限り、プリアンプに4558と12AX7、パワーアンプはICです。
信号の流れとしては入力→4558の片側→Fender型トーンスタック→12AX7の片側→12AX7の片側→4558の片側となり、ダイオードクリップなどもなく、純粋に増幅だけで歪ませています。
また、電源は12AX7のプレートにしっかりに250Vをかけており、IC関係は15V駆動。ICはプラマイ15Vではなく。+15Vの単電源。バイアスに5Vとかなりずれた値なので、このバイアスのずれで4558を歪ませているようです。
歪みペダルですがHotCakeとかも確かこの方式でひずみを得ているはずです。
なにより、真空管搭載を謳っていて、低電圧駆動だったり、クリッパで歪みを得ているアンプが多いのに(人気のFLIP100でさえ)真空管でゲインを稼ごうとはたいした心意気です。

修理としてはGAINのポット交換とサランネットの張替え、トーン回路の定数変更でした。
スピーカーネット張替えは高校時代父と自作スピーカーにはまっていてそのとき得たテクニックなので、言わば昔取った杵柄です。コツはとにかく水平、垂直が曲がらないように気をつけながらひたすらテンションをかけてステップラ(ホチキスのお化け)を打って止める事で、慣れと根気の作業です。
最初に上側の横方向を綺麗にまっすぐ固定し、テンションをかけながら下側の横方向を固定。あとは網目をのずれを意識しながらテンションをかけて左→右の順に張っていくときれいに出来ます。
しかし、このような小さいキャビのほうが微妙な修正が難しく、残念ですが今回の作は少し曲がってしまいました。

リフレッシュ後に試奏します。
音色は超ハイゲインでスモールサイズゆえミッドが強く、GAINを絞ると音がこもります。これは歪みペダル同様オペアンプの帰還の抵抗値を可変することでゲインを変えているからしょうがないのかなと思います。一般的な真空管アンプのようにハイパスコンデンサの挿入が難しくもあります。使い方としてはゲインをフルアップにして、ギターのボリュームで歪みをコントロールするとクリーン→クランチ→深い歪みまでコントロールできます。空間系エフェクトは諦めてください。あくまでも練習アンプですから(苦笑)
スピーカーが小さくミッドレンジの塊になりますが、これはこれで味のあるトーンだと思います。