Mesa/Boogie Studio.22 その4 LEADチャンネルのゲインダウン

Studio.22はRHYTHMチャンネルとLEADチャンネルに分かれるアンプではありますが、近年のBoogieのアンプのようにRHYTHMとLEADで別々のプリアンプを切り替えるという仕様ではありません。

回路図だと難解なんで簡単なブロックダイヤグラムで解説します。

V1〜V3は全て真空管。よく使われる12AX7でして、1個の真空管に2個の3極管という電圧を増幅する真空管が入っています。(双三極管と呼びます)よって、便宜上V2とV3はa/bと分かれて4個分の増幅回路になるわけです。V1も12AX7ですが、2個の3極管を1個の3極管に見立てるような接続がされています。

LEADチャンネルのON/OFFは4個のLDRという素子で行ないます。LDR4個がONになるとV1がブースターとして動作し、がっつりとゲインを上げます。また、トーン回路が切り替わり中域が太くなり、ブーストして大きくなりすぎた音量を絞るからくりです。

しかし、RHYTHMチャンネルでかっこいいクランチ音を作ると、LEADチャンネルは歪み過ぎます。ブーストを減らすように回路側で調整するのもありですが、ここは真空管の差し替えでブースト加減をコントロールすることにしました。これなら元に戻すのも簡単です。

V1の球を差し替えてみました。
JJ ECC83→12AX7と同じなんでゲインは当然下がらない。ノイズが増えた。個体差か?
Groove Tube 5751→12AX7の高信頼管、μは12AX7の100に対して70とちょっとゲインダウン。少しゲインが下がるが大差なし。
GE 5751(NOSなんて買えません中古)→GTの5751と同じ。
Electro Harmonix 12AT7→本当はチューナー(受信機)などに使われる高周波を扱う球。低周波でも利用できる。μは60。マイクロフォニックに弱い傾向のためか個体差か大音量でピーピー言う。あまりゲイン変わらず。
JJ ECC81→12AT7と同等。こっちのほうがマイクロフォニック少な目。あんまりゲインが下がらない。
JJ ECC802→12AU7の高信頼管。μは17と最も低い。枯れていて、良い歪み。マイクロフォニックもおきない。

というわけで、現在JJのECC802が刺さっています。先日小田急相模原のT☆ROCKSのセッションで何人かに試して頂きましたがRHYTHM、LEADチャンネル共に大好評でしたので、しばらくはこの状態で使おうと思います。
今後は12AY7(μ=44)も試してみたいですが、なかなか出モノに会えません(お金もないし〜)