感電なんか怖くない(んなわけない)

修理に関して情報収集していると、国内のSNSのコミュニティや掲示板では、結構な割合で「素人は手を出すな」「感電するぞ、最悪死ぬぞ」といった脅し文句で修理に関して建設的なやり取りがあまりされていないように思えます。
DIY先進国アメリカと比べたら本当に嘆かわしい限り。
向こうのほうがある程度のチャレンジを許容してくれるし、チャレンジに対する協力を惜しまない人が多いようにも思います。

さて、真空管アンプいじりにおいて、高電圧で動くので感電する可能性はあるにはありますが、注意するべきことを守ればそんなに危険ではないと思います。

僕もうっかり者なので感電は稀にしますが、適切な対応をしていればそんなに怖くはないんです。
その適切な対応ですが、自分なりにまとめるとこんな感じ。
真空管アンプに関して日々修行中の素人な僕なりの見解なので、識者の方は遠慮なく指摘してください。

◎電源オフのルール

  • スタンバイスイッチがある場合は、スタンバイOFF→1分くらい待って主電源OFF

〜こうすると、真空管はまだ暖まっており機能するので、コンデンサに残った高圧電流を真空管が使い切ることにより、コンデンサに高圧電流が残らない。

  • 部品の交換などの作業するときは、必ずアンプのコンセントは抜く

〜これはもう常識ですが、意外と守れてなくて事故の原因にも、、、。

  • 作業前に高電圧のかかるコンデンサに蓄積された高圧電流をテスタで測る。

〜基板上にラジアル型で実装されているとなかなか難しいですが、300V以上の耐圧の電解コンデンサはちゃんと電気が抜けているか測ったほうが良いでしょう。以前、LANEYのアンプを修理した際に、コンデンサに書かれていた文字が読み取れず低電圧のものとタカをくくっていて感電したことがあります。数字が読めないコンデンサこそ危険が隠れています。要注意。

  • コンデンサに高圧電流が残っていたら、ブリーダー抵抗つきのケーブルで放電させる。

〜アンプにブリーダー抵抗という、コンデンサに残った電気を放電してくれる抵抗があるアンプ(メサブギーの一部など)だったら不要ですが、これは必ずやったほうが良いでしょう。テスタでの測定とセットで考えたほうが良いかも。僕は5Wの抵抗の両端にワニ口クリップのついた適当なケーブルをつけて自作しています。真空管アンプいじりをするには必須アイテムだと思っています。
ただ、これも要注意で、つけたまま電源を入れるとケーブルやら抵抗が燃えることも(1回燃やしました、、、。)

◎動作確認のルール
〜動作確認の際に、回路図などに書かれた正しい電圧が掛かっているかチェックする必要があります

  • テスターのファンクションとレンジを間違えない

〜抵抗値を測るところにセットして高圧電流を測るとテスターは一発で昇天します(実話)しつこいくらいに確認してもいいと思います。

  • 測定ポイントはショートさせない

〜当たり前のことですが、テスターの先端の当て方が悪いと隣接した部品と簡単にショートしたりします。火花が飛んであらびっくり(笑〜笑えない)

〜感電リスクが高まります。

◎心構え

  • 飲酒して作業しない

〜これに関してはいろんな方が仰っていますね。うっかりミスも増えるので、ビール一杯でも飲んだら作業はしないです。飲んだら触るな。

  • 周囲のスペース確保と片付け

  〜うわ。自分にとって一番耳の痛い部分。ぜんぜんできていないので、えらそうなことはいえませんが、散らかっているところで作業すると、ろくな事はないですね。片付けなきゃ、、、。

こうやって一杯書いていますが、気をつけるポイントさえちゃんと守ればそんなに怖いものではないと思うので
エフェクター自作等で回路図が読めるようになり電気の知識がある程度ついたら、どんどんチャレンジして欲しいかなと思います。